アメリカに負けず劣らず人気の留学先となっているイギリス。

ブリティッシュ・イングリッシュのおしゃれなアクセントを理由に留学する人もいるんだそう。

 

そんなイギリスでの留学で、多くの場合で必要とされている「IELTS」というテストについてご存知ですか?

英語が母国語でない人の英語力測定のためのテストで、イギリスのほとんどの大学で英語力の証明として提出を要求されています。

 

憧れのイギリス留学を始めるのに重要な役割を持つ「IELTS」とはいったいどのようなテストなのか、こちらの記事でご紹介いたします!

 

IELTSでイギリス留学を目指そう

 

 

みなさんは、留学をするならどの国へ行きたいですか?

昨今、新たな進路の選択肢として注目を集めている「留学」ですが、特に英語の本場であるアメリカとイギリスは多くの留学生から人気の留学先となっています。

 

どちらの国の大学に留学するにしても、たいていの場合、日本人の多くを含む母国語が英語ではない留学生は、入学を希望する大学に自分の英語力を証明しなければいけないということをご存知でしたか?

アメリカ・イギリスの大学の多くは、母国語が英語ではない入学志願者に「TOEFL iBT」や「IELTS」などの英語力を測るテストを受け、そのスコアを提出することを要求しています。

 

特にイギリスでは、ある理由からTOEFL iBTよりもIELTSを受験することが一般的となっているのですが、それはなぜでしょうか?

そしてIELTSとはいったいどのようなテストなのでしょうか?

そこで以下では気になる方のために、イギリスのほとんどの大学への出願で重要な役割を持つテスト「IELTS」についてご紹介していきます!

 

IELTSとはどのようなテスト?

 

 

IELTSの基本情報

 

そもそも「IELTS」とは、「International English Language Testing System  (国際的な英語試験システム) 」の略であり、「the British Council」「Cambridge English Language Assessment」「IDP Education」という3つの団体によって実施されているテストです。

イギリス・オーストラリア・ニュージーランドのほとんどの大学・大学院、さらにアメリカの大学・大学院およそ3,000校で、英語が母国語でない入学志願者の英語力を測るテストとして採用されており、IELTSの開始から現在に至るまで、世界中で延べ300万人以上が受験をしています。

 

また、 TOEFL iBTなど他の種類のテストと同様に、IELTSのスコアの提出を求めている大学・大学院のうちのほとんどが出願のための最低スコアを設定しています。

ですので、IELTSのスコアが行きたい学校の最低スコアより低い場合は、その学校へ出願ができなくなってしまうのです。

(正確には、実際にスコアを送付し出願自体を行うことはできますが、提出したスコアが足切りのスコアよりも低い場合に合格する確率はほとんど無いと言えるでしょう。 )

 

IELTSの特徴

 

まず、IELTSには異なる2種類のテスト内容があります。

1つ目は、イギリスなど外国大の学への留学を目指す人が受験をする「アカデミック・モジュール」という種類のものです。

2つ目は、移住の申請など、学業以外のことを目的とする人が受験をする「ジェネラル・トレーニング・モジュール」というものです

こちらの記事では、より受験者が多い「アカデミック・モジュール」について説明をしていきます。

 

IELTSは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能が測られるテストです。

テストはTOEFL IBTとは異なり、コンピューターの使用はなく、代わりに鉛筆と紙を用いた筆記試験の形態で行われます。

日本の学校で受ける定期試験などと同様のスタイルですので、日本人にとってはTOEFL iBTに比べて受験がしやすいと思います。

またスピーキングのテストも、TOEFL iBTのように1人でマイクに向かって話し続けるというものではなく、試験官との対話形式で行われるため、それほど違和感や戸惑いを感じずにテストに臨めるでしょう。

 

IELTSがTOEFL iBTよりもオススメな場合とは?

 

冒頭で、イギリスの大学へ留学をしたい場合は、TOEFL iBTよりもIELTSを受験することが一般的となっているという旨の記載をしましたが、それはいったいなぜかご存知でしょうか?

なぜかというと、2014年の4月以降、TOEFL iBTのスコアはイギリスの学生ビザを申請する際に使用することができなくなってしまっているからなのです。

つまり、入学を希望するイギリスの大学にTOEFL iBTのスコアを英語力の証明として出願し合格した場合、そのままでは学生ビザがもらえないため、IELTSなど他のテストを別で受験してビザ申請を行わなければいけないという「二度手間」な状況になってしまうんです。

ですので、イギリスの大学への入学をお考えの方には、同じスコアを出願とビザ申請の両方に使用できお金も時間も賢く節約できる、IELTSを受験することをオススメします。

 

IELTS受験の流れとは?

 

 

1:  オンラインで申し込みをする

 

IELTSは、イギリスやアメリカなど様々な国で受験が可能で、日本では1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月の年10回、全国およそ80の地域の学校などの施設で、基本的に週末に実施されています。

日本で実施されるIELTSは、「英検」でお馴染みの「公益財団法人日本英語検定協会」によって主催されていますので、協会の公式ウェブサイトで事前に受験の予約・受験費用の支払いを行いましょう。

受験費用は2018年3月時点で25,380円です。

 

2:  受験当日

 

試験当日は、パスポート・鉛筆・消しゴム・透明な入れ物に入った飲み物のみを試験会場に持ち込むことができます。

それ以外のものは試験会場に着いてからロッカーにしまったりクロークに預けたりする必要があります。

「ロッカーが小さすぎて物が入らない」「クロークが混んでいて時間がかかる」など困った状況に陥らないよう、必要最低限の物のみを持って試験会場に向かいましょう。

 

テストは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの順で行われ、合計でおよそ2時間45分かかります。

その後に行われるスピーキングテストは受験者によってテストの待ち時間に大きな差があり、1Day セッションの場合は当日の午後1時以降に、2Day セッションの場合は翌日の午前9時30分以降に実施されます。

1Day セッションの中だけでも待ち時間は大きく異なり、1時間程度待つ人がいれば、4時間以上待つ人が出てくることもあります。

 

IELTSの内容

 

問題冊子・回答用紙の配布  : 20分

  • リスニング  : 40分で40問
  • 4つのセクションに分かれています。
  • 日常会話などから始まり、セクションが進むにつれて大学の講義などのアカデミックな内容のリスニング問題が出題されます。

問題冊子の配布  : 10分

  • リーディング  : 60分で40問
  • 3つの長文を読み、それぞれの長文に沿った正答を見つけます。
  • 新聞や専門書などからの抜粋が出題されたり、グラフやイラストなどが添付されたものが出題されたりします。

問題冊子・回答用紙の配布・回収  : 10分

  • ライティング  : 60分で2問
  • 1問目では、グラフなどから情報を適切に読み取り、読み取った内容を文章にまとめます。
  • 2問目では、例を示したり根拠を挙げたりしながら、論理的に自分の意見を述べます。

問題冊子・回答用紙の配布・回収  : 10分

以上で筆記試験は終了となります。

スピーキングのテストについては、自分のスケジュールをチェックして当日もしくは翌日に、指定された試験会場に移動し、テストを受けます。

  • スピーキング  : 11~14分
  • まず、自己紹介や家族・仕事などの個人的なことに対しての質問があります。
  • 次に、与えられたお題に対してスピーチをし、最後に、あるお題に対して試験官とのディスカッションを行います。

 

IELTSのスコア

 

 

IELTSのテスト結果は、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのそれぞれのセクションが、1.0~9.0の0.5刻みの「バンドスコア」と呼ばれるもので表示されます。

各セクションの正答率がバンドスコアに換算されて表示され、4つのバンドスコアの平均から全体のバンドスコアが算出される仕組みになっています。

 

スコアは受験後30日以内に「公式認定証」として発送されます。

オンラインで受験の申し込みをした場合は、公式認定証が配送されるおよそ1週間前から、オンラインでスコアを確認することができます。

 

イギリスをはじめ、IELTSのスコアの提出を要求している大学のほとんどは、レベルに応じて4.5~7.0程度を留学生が応募できる最低スコアに設定しています。

基本的に、レベルの高い学校ではおよそ6.5以上を、中堅校ではおよそ6.0以上を、入学しやすいと言われる大学ではおよそ4.5以上を、それぞれ求めている場合が多いと言えるでしょう。

また、TOEFL iBT同様に、合計のバンドスコア以外にも「リーディングセクションは最低で5.5が必要」といったように、各セクションごとの最低点を指定している大学もあります。

 

例として、イギリスのいくつかの大学と、各学校の応募時に必要もしくは理想とされるIELTSのスコアの最低点、そして参考としてTOEFL iBTのスコアをそれぞれ紹介いたしますので参考にしてみてください。

なお、スコアは2018年3月時点のものであり、今後変更する場合があります。

希望の大学の公式ウェブサイトで、最新の情報を確認してください。

 

IELTSのスコア6.5以上を求める大学

 

  • オックスフォード大学
  • 合格するための最低スコアは7.0です。
  • さらに、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングのそれぞれのセクションの最低スコアも7.0以上であることが必要とされています。
  • TOEFL iBTのスコア  : 110点 (リスニング 22点・リーディング 24点・ライティング 24点・スピーキング 25点)  
  • ケンブリッジ大学
  • インタビューで英語のレベルが測られますが、IELTSのスコア7.5以上の提出を要求される場合があります。
  • なお、各セクションのスコアは最低でも7.0以上であることが好ましいです。
  • TOEFL iBTのスコア  : 110点 (各セクション25点)  
  • インペリアル・カレッジ・ロンドン
  • 学部によって「スタンダード」か「ハイヤー」のどちらかのスコアが要求されます。
  • スタンダードスコアの提出が必要な場合は、全体のバンドスコアが6.5以上で各セクションのスコアが6.0以上、ハイヤースコアの場合は、全体のバンドスコアが7.0以上で各セクションが6.5以上です。
  • TOEFL iBTのスコア  : スタンダードは合計が92点で各セクションが20点以上、ハイヤーは合計が100点で各セクションが22点以上
  • ランカスター大学
  • 合格に必要な最低スコアは全体スコアが6.5以上で各セクションが5.5以上の場合です。
  • TOEFL iBTのスコア  : 合計スコアが93点以上で、ライティング・リスニングで17点以上、スピーキングで20点以上、リーディングで18点以上

 

IELTSのスコア6.0以上を求める大学

 

  • グラスゴー大学
  • 入学を希望する学部に応じて、6.0から7.0が最低スコアとして求められています。
  • TOEFL iBTのスコア  : 学部に応じて90点から100点
  • リーズ大学
  • 全体のスコアが6.0以上で各セクションが5.5以上であることが必要です。
  • TOEFL iBTのスコア :  合計が87点以上、リスニング・リーディングが20点以上、ライティングが21点以上、スピーキングが22点以上
  • キングス・カレッジ・ロンドン
  • 希望の学部によって、全体スコアが6.0以上で各セクションが5.5以上を求める学部から、全体スコアが7.5以上で各セクションが7.0以上を求める学部までがあります。
  • TOEFL iBTのスコア  : 学部に応じて80点から109点
  • バーミンガム大学
  • 学部に応じて6.0から7.0のバンドスコアが求められます。
  • TOEFL iBTのスコア  : 学部に応じて80点から95点

 

以上、いかがでしたか?

あこがれのイギリスでの留学を始めるにあたって、IELTSは重要な役割を持つテストです。

入学を希望する大学への出願条件を満たすため、そしてその大学に合格するため、1点でも高いスコアが取れるように日々英語の力を伸ばしていきましょう!

 


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