英単語を覚えている時、同じ訳の単語が出てきて「訳が同じなら、この2つの単語の違いは何なんだろう?」と思ったことありませんか?日本語と違って微妙なニュアンスの違いが分からず、覚えたり使ったりする時に戸惑ってしまうこともあると思います。
そこで今回は、convinceとpersuadeなど、同じ訳を持つ単語の意味の違いと使い分けについて説明します。
英単語「convince」と「persuade」の違い
まずは、どちらも「説得する」「納得させる」と訳される「convince」と「persuade」の違いをご紹介します。
実はこの2単語はニュアンスがとても似ているため、ネイティブ・スピーカーの中でもこれといった使い分けをせずに使用する人がいますが、ちゃんと厳密な違いがあるんです。
まずはそれぞれの単語の意味と例文を辞書で見てみましょう(出典:ランダムハウス英和大辞典)。
convinceの意味
〈人に〉(…を)(議論・証明によって)確信させる、納得[得心]させる((of …;that 節));((米)) 〈人に〉(…するよう)説得する((to do))
convinceの例文
convince a person of his errors(人にその過ちを分からせる)
convince a jury of his guilt(陪審に彼の有罪を納得させる)
→聞いた話が信用できそうな時に「Sounds convincing」と言うこともありますよね。つまり、convinceには相手を納得させたりあなたの言うことを信じさせたりするという意味があるのです。
persuadeの意味
…を促す、説得する、せき立てる(⇔dissuade) ((to do;into …,into doing));〈人を〉説きつける;説得して…をやめさせる((away from …))
persuadeの例文
We could not persuade him to wait.(彼に待つように勧めたが駄目だった)
Her aide persuaded her not to appear on television. [=Her aide persuaded her out of appearing on television.](補佐官は彼女を説得してテレビに出るのを断念させた)
He persuaded me into saying a few words at the party.(彼はそのパーティーで少しばかり話をするようにと私に勧めた)
→つまり、persuadeはconivinceと違って、相手を説得させたり説き伏せたりし、その上で相手に特定の行為をさせる(もしくはさせない)という部分まで意味に含んでいます。
したがって、convinceとpersuadeの決定的な違いは、convinceが相手に何かを信じ納得させることであるのに対し、persuadeは相手にある行動をさせることを目的に説得すること、とまとめられます。
あなたが説得し行動を起こさせた(=persuade)相手は、必ずしもあなたの意見に賛成していたり全面的に信用していたり(=convinced)しないこともある、ということなんですね!
英単語「heal」と「cure」の違い
次に「heal」と「cure」の違いについても見てみましょう。どちらも「治す」と言う意味を持ちますが、何を治すかによってきちんと使い分けのルールがあるんです。
healの意味
〈切り傷・やけどを〉治す(⇒CURE1【類語】);〈悲しみ・悩みなどを〉いやす;((通例受身)) ((文語)) 〈人の〉(傷・病気を)治す((of …)) (◆現在では cure が普通)
healの例文
heal the sick(病人を治す)
heal one’s sorrows [troubles](悲しみ[悩み]をいやす)
He was healed of his sickness.(彼は病気がいえた)
→一般的な擦り傷やねんざ、骨折などのケガにはhealを使います。またケガだけでなく、失恋などから起こる悲しみなどの心の傷に対しても使われ、「いやす」という意味で使われることが多いです。
ちなみに、healの語尾にthを付けたhealthと言う単語には「健康」という意味がありますよね。
cureの意味
〈人・病気を〉治す,治療する;〈悪癖・悪習などを〉直す,矯正する;〈人の〉(病気を)治す,(悪癖を)直す;〈人の〉(苦悩を)取り除く((of …))
cureの例文
cure a child of a cold [=cure a child’s cold](子供の風邪を治す)(*cure a cold of a child とは言わない)
He was cured of his heavy drinking.(深酒を直してもらった)
→healと違って、このようにcureは病気を治すという意味で使われます。さらに病気以外にも、人から悪い癖や習慣といったものをその人から「取り除く」という意味も持っています。
また、cureに似ている単語にcareというものがありますが、これは「世話をする、注意をする」という意味になります。
以上をまとめますと、ケガや心の傷が対象のときはheal、病気や悪い習慣が対象の場合はcureをそれぞれ使うのが正しいです。
英単語はつながりで覚えてしまおう
最後に、同じ訳を持つ単語を何個も覚えるのがややこしいと感じる方もいるかもしれませんが、あえて同じ訳を持つ単語同士をまとめて覚えてしまうと、案外覚えやすいかもしれません。
ぜひ類語辞典などを使って、効率的に単語量を増やしていってはいかがでしょうか?
FRON