突然ですが、みなさんの宗教は何ですか?
こう聞かれてはっきり答えられる日本人は、実はあまり多くないのではないでしょうか?
日本には仏教と神道が根付いてはいるものの、日本ではあまり自分の宗教について知らないという人や、そもそも無宗教という人が多い傾向にあります。
それとは反対に、例えばアメリカでは大半の人が何かしらの宗教に属しており、礼拝なども日常的に行われています。また、クリスチャンの外国人は世界的にも多いです。
そこで今回は、アメリカで最も信仰されており、世界的にも有名な「キリスト教」について簡単にご紹介します。
キリスト教ってどんな宗教?
そもそも、キリスト教とは、一体どんな宗教なのでしょうか?
まず、日本で広く親しまれている神道とは異なり、ユダヤ教やイスラム教のように、一神教であることが特徴の1つです。
そしてその神様によって、人間や草花、海など、この世界が創造されたと信じられています。さらに、その唯一の神とともに信じられているのが、イエス (英語ではJesus) という「キリスト = 救世主」の存在です。
日本の学校では、イエスの名前は、世界史でちらっと名前を聞く程度で終わってしまいます。ですが、イエス・キリストは、アメリカをはじめ世界中で知られている存在です。
イエス・キリストについて
イエス・キリストは神様の息子であり、罪のない完璧な生涯を送りました。ですが、2018年ほど前に、私たち「人間」の罪を全て背負って亡くなってしまったのです。
彼が十字架にかけられて、自分犠牲にしてくれたからこそ、私たちは間違いを犯しても、新たなチャンスを与えられ、何度でもやり直すことができるのだと信じられています。
ちなみに、ここまで読んでいて気がついた方もいらっしゃるかと思いますが、日本でも使用されている西暦は、イエス・キリストが亡くなった時を基準として数えられています。
キリスト教の聖書って何?
ですが、神様の存在や、イエス・キリストがどんな人だったのか、そして何をしたのかなどは、一体どうやって分かるのでしょうか?
ここで重要になってくるのが「聖書」です。
多くのキリスト教で、真実の書物とされているのがこの聖書です。神様による天地創造はもちろん、イエス・キリストの生誕から死去、そしてその後までもが細かく記載されています。
旧約聖書と新約聖書が存在
また、聖書は「旧約聖書」と「新約聖書」の2冊から成り立っています。簡単にまとめると、旧約聖書にはイスラエルの民の歴史が、新約聖書にはイエス・キリストについてがそれぞれ書かれています。
キリスト教徒にとってはどちらも大切な書物で、片方だけでは絶対に成り立ちません。彼らは毎日のように聖書を読みながら、キリスト教の教えについて学んでいます。
なお、「キリスト教」と一言で言っても、実際には仏教のように様々な宗派があります。そしていくつかの宗派では、聖書の他に、他の書物を真実の聖典として彼らの教えの基盤にしています。
キリスト教徒の生活ってどんなもの?
先ほども書きましたが、「キリスト教」とひとくくりにしても、宗派によって少しずつ教えは異なります。そのため、キリスト教徒の生活も宗派によって異なってきます。
例えば、ある宗派では男性しか聖職者になれませんが、別の宗教では女性が牧師になることが許されています。また、ある宗教では飲酒や喫煙は禁じられていますが、別の宗教ではそういったことをしても、問題にはなりません。
このように、どの宗派に属しているかによって細かい部分は千差万別です。ただし、キリスト教としてほとんどの宗派に共通していることもいくつかありますので、そちらをご紹介させていただきます。
① 愛を持って生活する
多くのキリスト教徒が常に意識していることが、イエス・キリストのように愛を持って生活することです。
イエス・キリストは周りの人を常に思いやり、お腹をすかせた人に水や食事を与えたり、疲れて歩けない人に肩を貸してあげたりと、誰にでも愛を持って接していたと信じられています。
ですので、多くのキリスト教徒はイエス・キリストを模範として、常に愛にあふれた行動や発言をすることに努めています。
② 日曜日に礼拝を行う
また、キリスト教では日曜日は神聖な日とされ、教会や集会場に集ったりして神様に祈りを捧げます。
集会が始まると、まずは聖餐会が行われます。聖餐会では、ひとかけらのパンと少量の水を順にいただきながら、イエス・キリストの犠牲について感謝し祈りを捧げます。
ちなみに、パンはイエス・キリストの肉体を、水は彼の血を象徴しています。
宗派によって差はありますが、基本的に聖餐会の後は、いくつかのクラスに分かれて、聖書などの書物やそれぞれの教会の教えについて一緒に学ぶ時間が設けられています。
そして家に帰った後は、家族や親しい人たちと過ごします。これは、次にご紹介するモーセの十戒の4番目に関係があります。
③ モーセの十戒を守る
「モーセの十戒」とは、モーセという預言者が神様から与えられたと伝えられる、10の戒律のことです。多くのキリスト教徒は以下の十戒を守って生活しています。
多くのキリスト教徒は、モーセの十戒を守って生活している
1. 神様が唯一無二の存在であること
第1の戒律は一神教についてです。神様だけを信仰し、他の物や人に信仰心を持つことを禁止しています。
2. 偶像を作ってはいけないこと
偶像崇拝の禁止についての戒律です。神様のみが信仰の対象であるということで、第1の戒律からつながっていますね。
3. 神様の名前をむやみに口にしてはいけないこと
英語の映画やテレビドラマなどでは「Oh my God!」 (なんてことだ!) というセリフをよく耳にすると思います。しかしこのように簡単に神様の名前を口にすることは禁止されています。
4. 安息日を神聖に保つこと
安息日とは日曜日のことです。旅行に行ったりゲームをしたりせず、教会に行ったり家で静かに過ごしたりしながら神様とイエス・キリストについて考え祈る1日にしなさいという戒律です。
そして以下の戒律は、キリスト教徒でなくとも、守るべき基本的かつ重要なルールです。
5. 両親を敬うこと
6. 殺人を行ってはいけないこと
7. 姦淫を行ってはいけないこと
8. 盗みをはたらいてはいけないこと
9. 嘘を言ってはいけないこと
10. 隣人の家をむさぼってはいけないこと
周りの人を妬んだり、その人が持っているものを欲しがったりしてはいけないという戒律です。たしかに、妬みやひがみは良くないですよね。
先ほども述べましたように、宗派によって生活の指針や戒律は多少異なります。しかし、常に祈ることを忘れず、愛を持って真っ当に生活することがキリスト教徒の基本となっているのです。
キリスト教について学ぼう
以上、いかがでしたか?
アメリカでも、世界中でも、信仰者が最も多いのが、キリスト教です。
日本では「宗教」というと、少し近寄りがたく「怖い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。ですが、今回の記事を通して、宗教に対しての考え方が少しでも変わっていただければ幸いです。
実際、宗教についての知識があると、様々な国の人に対して、より深い理解ができるようになるかもしれません。
教えに忠実に、日々愛や思いやりを持って生活しているキリスト教徒や、彼らが信仰しているキリスト教という宗教について興味を持った方は、ぜひご自身でさらに学んでみてくださいね!