留学」が身近なものになってきた近年。

アメリカやカナダの大学での留学を考えている方も多いのではないでしょうか?

そんな、あこがれのアメリカ・カナダ留学を叶えるために必要なテストがあるのをご存知でしょうか?

「TOEFL iBT」と呼ばれるテストは、英語が母国語ではない人の英語力を測るために実施されており、多くの北米大学で英語力の証明として提出することが求められています。

希望の大学への合否を左右する重要なテスト「TOEFL iBT」とはいったいどのようなものなのか、こちらの記事でご紹介いたします!

 

TOEFL iBTでカナダ・アメリカ留学を目指そう

 

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近年、日本では高校生や大学生を中心に、アメリカをはじめとした世界中の学校での「留学」が盛んに行われるようになってきていますよね。

「友人が留学している・していた」「今年の夏から、学校のプログラムで1年間の留学を始める」など、留学という選択肢は身近なものになりつつあります。

 

特にアメリカやカナダなど北米の大学は、留学先としてもっとも人気がある場所です。

そんなアメリカ・カナダの大学ではどのような方法で入学者を決定するかご存知でしょうか?

実は、日本の大学の一般的な入試とは大きく異なり、これまでの学校の成績や先生からの推薦状を入学したい大学へ提出し、その内容を希望の大学の採用担当が評価して合否が決定されます。

 

つまり、アメリカ・カナダの大学の入学者選抜では、提出する書類の内容が非常に重要視されるということなのですが、英語が母国語でない応募者はさらに「TOEFL iBT」というテストを受験し、そのスコアも提出することが求められている場合が多いのです。

学校の成績や推薦状同様に重要視されている「TOEFL iBT」とは、一体どのようなテストなのでしょうか?

本記事で、大学の合否にも関わってくる重要なテスト「TOEFL iBT」の特徴や出題形式、出題内容などについてご紹介していきます。

 

 

TOEFL iBTとはどのようなテスト?

 

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TOEFL iBTの基本情報

 

そもそも「TOEFL」とは何かと言うと、「Test of English as a Foreign Language Internet-based Test  (外国語としての英語の試験)  」の略で、「ETS」というアメリカの非営利団体によって実施されている、英語が母国語ではない人の英語力を測るためのテストです。

1964年に開始した当時は筆記試験として行われていましたが、時代の流れに合わせ、1998年にコンピューターを使用したCBT  (Computer-based Test)  が実施されるようになり、エッセイ問題が加えられました。

そして2005年より「iBT  (Internet-based Testの略) 」、つまりインターネットを使用した現在の形態でのテストが行われるようになりました。

 

そんなTOEFL iBTは、いくつかの学校を除いて、アメリカやカナダを含む海外の大学や大学院に入学を考えている留学生や、母国語が英語ではない学生が受験することを要求されているテストです。

また、TOEFL iBTのスコアの提出を求めている学校のうちのほとんどが、その学校への出願をするための最低スコアを設定しています。

つまり、自分が取ったTOEFL iBTのスコアによって、行きたい大学の合否だけではなく、希望の学校に応募ができるかどうかさえも決定してしまうのです。

そのため、学校の成績やエッセイ、先生たちからの推薦状など、アメリカやカナダの大学へ出願するにはいろいろな項目が考慮される中でも、TOEFL iBTのスコアは大学出願書類の中でも特に重要なものと考えて良いでしょう。

 

TOEFL iBTの特徴

 

日本では、英語力を判定するために受けるテストとしては「英検」が一般的ですが、英検ではライティングやスピーキングのセクションがない級も存在します。

そんな英検とは異なり、TOEFL iBTの最大の特徴は、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能の全てが測られるという点です。

それぞれのセクションでどのような問題が出題されるのかは、のちほど詳しくご紹介いたします。

 

また、「この応募者は、我が大学での授業や生活についてこられるか?」という大学の採用担当側の疑問をきれいに反映して、TOEFL iBTでは大学レベルの講義・他の生徒の会話・大学の寮の管理人とのやりとりなど、大学へ通っていると誰もが経験するであろうシチュエーションを元にしたテスト問題が出題されます。

日本の高校で習うものよりも難しい単語やフレーズがいくつも出てきます。

 

なお、リーディングでは1つの文章がとても長いと感じる方や、リスニングでは話すのが非常に早いと感じる方もいらっしゃるかと思います。

そういう場合は、書店などで販売されているTOEFL iBT対策のテキストや単語帳を購入するなどして、効率的に勉強するのが良いと思います。

  

ところで、コンピューターを使用したテストで、いったいどうやってスピーキングをするのだろう?と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

実はTOEFL iBTの試験会場にはコンピューターと一緒にマイク付きのヘッドホンが用意されており、スピーキングのセクションではマイクに向かって1人で回答をしていきます。

こちらも面接タイプのスピーキングテストを実施する英検とは大きく異なる点ですね。

もちろん、ライティングの問題も鉛筆などではなくキーボードを使用して行われますので、限られたテスト時間で素早く英文が書けるよう、事前にタイピングの練習をしておくのがベストだと思います。

 

 

TOEFL iBT受験の流れとは?

 

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1:オンラインで申し込みをする

 

TOEFL iBTはアメリカ及びカナダ国内外で受験が可能で、日本ではほとんど毎週末に学校やコンピューターセンターなどの施設で実施されています。

テストの受験を希望する場合は、事前にETSの公式ウェブサイトで日時と試験会場を予約し、受験費用を支払う必要があります。

どこで受験をするかによって費用は異なり、日本で受験をする際は受験費用は2018年3月時点で235ドルです。

 

なお、受験者が予約をした後に、ETS側は無条件で受験者の試験会場の変更を行うことができます。

ですので、自分の試験会場が変更されていないかどうか、予約した後も何度か確認しておくことをオススメします。

 

2:受験当日

 

テストが開始する前に、本人確認と顔写真の撮影があります。

また、試験会場内に携帯などの持ち込みは一切できず、コンピューターの近くに置いておくことが許されているものは、パスポートなどの身分証明書・鉛筆・メモ用の紙程度となっています。

 

テストは10分間の休憩をはさみ、全部で3時間から4時間ほどかかります。

会場内で一斉にテストがスタートするのではなく、受験者ごとに少しずつ時間をずらしてテストが行われます。

そのため、自分はまだライティングのセクションに進んでいないのに周りでタイピングの音がし始めたり、周りはまだリスニング中なのに自分1人だけスピーキングをすることになったりします。

特に、初めて受験をする方は、そのような状況になると戸惑いや恥ずかしい気持ちが多少出てくるかもしれませんが、周りを気にせずに落ち着いてテストに取り組んでくださいね。

 

TOEFL iBTの内容

 

  • リーディング  :  60~80分で36~56問
    3つから4つの長文を読み回答していきます。
    内容は歴史・生物・文学など、大学での授業を想定したアカデミックなものばかりとなっています。
  • リスニング  :  60~90分で34~51問
  • こちらも大学での授業や生活を想定した問題が出題されます。
  • クラスでのディスカッション・教師や生徒との会話・寮の管理人とのやりとりをリスニングします。

10分間の休憩

  • スピーキング  :  20分で6問
    「休日にはどのようなことをするのが好きですか?」という個人的な質問から、「今から流れる授業の一部を聞いて内容をまとめなさい。」というアカデミックなものまで、幅広く出題されます。
    スピーキングのみに限らず、リーディング・リスニングの力も試されます。
  • ライティング  :  50分で2問
    1問は、ある問いに対して自分の意見を述べるものです。
    もう1問は、アカデミックな内容の長文を読み、それについて内容をまとめたり自分の意見を述べたりするものです。

 

 

TOEFL iBTのスコア

 

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TOEFL iBTは、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングがそれぞれ30点ずつの合計120点満点で採点されます。

スコアは受験日から10日ほど経った時点でメールで通知され、およそ2週間経った時点で郵便が届く仕組みになっています。

なお、スコアは2年間有効となっており、有効期限が切れるまでは大学や会社など、希望の機関にスコアを送付することができます。

 

アメリカ・カナダの多くの4年制大学では、入学の基準が比較的易しい学校ではおよそ60点、中堅校ではおよそ80点、そして日本でも耳にすることがあるいわゆる「エリート校」ではおよそ100点を、海外からの入学生の応募の足切り基準としています。

2年制大学では、ほとんどの場合は30点から45点が基準となっています。

また、合計点だけではなく、「リーディングは最低18点必要」といったように各項目ごとの最低点も条件に入れている学校があるので、希望の学校のウェブサイトで最新の情報を確認することをオススメします。

 

例として、アメリカのいくつかの大学と、それぞれの学校の応募時に必要または推奨されているTOEFL iBTのスコアの最低点をご紹介いたしますので参考にしてみてください。

なお、スコアは2018年3月時点のものであり、今後変更する場合がありますのでご注意ください。

 

TOEFL iBTのスコア60点以上を求める大学

 

  • イリノイ州立大学
    79点が応募の最低スコアとなっています。
  • ワシントン大学
    応募の最低基準点は76点となっています。
    ただ、合格には92点以上のスコアを提出することが推奨されています。
  • アリゾナ州立大学
    通常合格には61点が必要です。
    61点に満たない場合は、大学主催の英語学習クラスを受講することで大学レベルの授業にも参加できます。
  • ミシガン州立大学
    79点以上が通常合格の基準となりますが、仮合格には60点以上が必要とされています。
    仮合格をした場合は、大学の英語学習クラスを受講し、入学後3学期以内に通常合格の基準となる点数を取得することが義務付けられています。

 

TOEFL iBTのスコア80点以上を求める大学

 

  • マサチューセッツ工科大学  (MIT)
    応募するための最低スコアは90点ですが、合格基準として大学側は最低100点のスコアの提出を推奨しています。
    また、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングのそれぞれのセクションのスコアが最低23点であることも推奨されています。 
  • パデュー大学
    ほとんどの学部では80点を応募の最低基準スコアとしており、4つの各セクションで20点以上を持っていることが勧められています。
    また、エンジニアリング学部・サイエンス学部・マネジメント学部では、88点以上が必要とされています。
  • カリフォルニア大学 バークレー校
    80点以上が応募の最低スコアとなっているようですが、学部によっては80点よりも高いスコアを要求したり、インタビューをして英語力をチェックしたりします。
    必要とされるスコアと低いものを提出して合格した場合は、大学が主催する英語学習クラスやテストへの参加が必要となる可能性があります。
  • ペンシルバニア州立大学  (ペン・ステート)
    80点が願書応募の最低スコアとなっています。

 

TOEFL iBTのスコア100点以上を求める大学

 

  • 南カリフォルニア大学
    応募するのに必要な最低スコアは100点で、4つのセクションがそれぞれ20点以上であることが必要とされています。
  • ジョンズ・ホプキンス大学
    応募に必要とされる最低スコアは100点です。
  • コロンビア大学
    100点が応募の最低スコアとなっています。
  • ブラウン大学
    願書の提出の際にはTOEFL iBTの提出は義務付けられていませんが、英語力の証明として、ほとんどの場合で100点以上のスコアの提出が期待されています。

 

 

このように、憧れのアメリカ・カナダでの留学を始めるにあたって、TOEFL iBTは重要な役割を持っています。

入学を希望する大学への出願資格を手に入れるため、そしてその大学に入学するため、1点でも高いスコアが取れるように日々単語力やリスニング力を伸ばしていきましょう!

 


https://flhouse.co.jp/article/221/toefl_ibt